八極螳螂武藝總舘日本分舘

八極螳螂武藝總舘日本分舘　分舘長　野田久貴

　八極螳螂武藝總舘日本分舘では、今年も蘇�c彰老師を招いて合宿と講習会を開催した。蘇�c彰老師は、40日に及ぶ日程を疲れた様子も見せず精力的にこなされた。

　恒例の山中湖合宿は、に分舘員を対象に行う合宿で、今年で8回目の開催となる。内容は、年々高度になっており、上級者に関しては蘇�c彰老師が、一人一人の功夫と気の状態を把握し、自己の五行の気の特性を生かすための練法の指導が個別に行われている。また昨年から特に力を入れている散打では、歩法対練から始まり、八極拳の塔手と螳螂拳の磨手の訓練を徹底的に行った。

　合宿が終わると講習会で指導するため日本各地を巡る旅に出る。最初に訪れた札幌の講習会と一番最後の東京講習会では、秘門螳螂拳の摘要拳第１路が指導された。秘門螳螂拳については以前にも講習が行われたが、さすがに摘要拳に到ると全ての技に、秘門螳螂拳の「螳螂闘螳螂」と言う戦闘哲学が如実に反映されている。しかも張徳奎師爺や蘇�c彰師父の豊富な実戦例を聞いているとまさに殺人技術を学んでいるんだという実感がふつふつと沸いてくる。それは分筋錯骨法で南拳家の骨を砕いてしまった話しであったり、閉門脚によって米兵の睾丸をつぶしてしまったり、ゴロツキの頭の皮を毟りとってしまったりするという具体的で理解しやすいものだ。もちろんそれらの話しは戦中から戦後数年間という殺伐とした時代での出来事である。その殺気の満ち溢れる技の凄みは、秘門螳螂拳のビデオの中に紹介された螳螂手拳の実戦用法を見てもらえば、その一端を理解してもらえるだろう。そして今回、蘇�c彰という天才武術家がなぜ生まれたのか、その歴史的必然性を蘇�c彰師父より聞かされ慄然とした。札幌のビール園では、ジンギスカンを腹いっぱい食べた。

　名古屋講習会では、六合螳螂拳の鏡裡蔵花拳の指導がなされた。この講習の模様はビデオに録画されＢＡＢより発売される。秘門螳螂拳とは違い殺気を内に秘めたような六合螳螂拳の動きは、ストレスを発散するような爽快感はあまり無いが、身体内面に巡る気の感じがはっきりわかり非常に心地よい。

　今年が、第１回目の開催となる四国講習会は、高知市で開催された。講習は八極拳と螳螂拳に分かれて行われた。八極拳は小八極拳で、螳螂拳は崩歩拳の指導がなされた。四国同好会代表の橋本幾生氏は、四国からわざわざ東京本部まで来て学んでおり、山中湖の合宿参加の常連でもある。今回、高知同好会より高知支部に昇格した。この調子で、ますますの発展を期待したい。

　なお東京本部を始め、各支部で蘇�c彰老師から直接指導が受けられる練習会が催され、多くの分館員が参加した。

　ハイクラスセミナーは，群馬県の尾瀬にて開催された。メンバーのほとんどが社会の第一線で活躍している人ばかりなので日程を決めるのに苦労したが、皆忙しいスケジュールを調整して蘇�c彰老師の下に集った。今回は螳螂門に伝わる双節棍（ヌンチャク）を中心に学んだ。螳螂門のヌンチャクは、一般に見られるものより技のバリエーションが豊富で、九節鞭と同様の技法もある。しかし最も大きな違いは、すべての技法は歩法が重要な要素を占めていると言うことだ。