陳家太極拳
すべての太極拳の源流とされ、河南省の陳家溝を中心に伝承されてきました。動作は剛柔相済、快慢兼備を特徴とし、柔軟さや円の動きだけでなく、震脚（強く脚を踏みならす動作）を含み、鋭い突きや蹴り、跳躍動作を残し、発勁（全身を協調一致させて力を発する技術）は激しく、纏絲勁（螺旋状の勁）によって動作を連関します。一般的な太極拳のイメージからすると非常に激しく豪快な印象があります。
台湾に陳家太極拳を伝えた杜毓澤(1897-1990)老師は、河南省博愛縣の人で,陳家太極拳第九代傳人です。十八歳の時、清の翰林大學士であった父杜嚴の計らいで、陳氏第十六世宗師の陳延熙から,陳家太極拳老架式を三年学びました。その後、陳延熙は高齢を理由に故郷へ帰りましたが、代わりに陳銘標を推薦しました。それで陳銘標は、杜府の護衛の任を引き継ぎ,杜毓澤に新架(忽雷架)と炮捶を伝授しました。このため杜毓鐸老師が台湾に移住して伝えた陳家太極拳には、老架式、砲捶、忽雷架の三つがあります。
八極螳螂門に伝承されている陳家太極拳については、
陳家太極拳来源を参照してください。
楊式太極拳
陳家溝で太極拳を学んだ楊露禅が、北京に出て普及しました。露禅は実戦高手として楊無敵と讃えられ、その評判故に請われて多くの者に教授しました。その拳は非常に柔らかな動きで、「綿拳」「化拳」と称されたと伝えられます。その後も露禅の子、孫と三代にわたって楊式は改変され、現在一般に普及しているのは露禅の孫楊澄甫が伝えた套路です。動作はのびのびとして大きく、激しい発勁動作を行わず、ゆるやかであるため、最も広く行われています。
蘇昱彰老師が伝える原型の老傳楊家太極拳は、
太極十三勢の原理に動作が規定され厳密なので、初心者でも、体内の気の巡りが、はっきりと自覚でき、健身だけではなく武術としての効果もより一層顕著です。
老傳楊家太極拳については、
老傳楊家太極拳来源流も参照してください
